シマノ 05カルカッタ50のオーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ05カルカッタ50のオーバーホール依頼です。巻き心地がだいぶ悪くなっているので、滑らかな状態にできればと思います。元々巻き心地は悪くない機種ですので、できる限り元のシルキーな状態に蘇らせていきます。

このリールは、2006年に大幅なモデルチェンジのうえ発売された機種で、基本性能を高いレベルで押さえつつ、ワンピースマシンカットフレームの採用、錆びに強いベアリングA-RBを搭載し、海への対応を一層強化しました。SVS付き超々ジュラルミンブランキングスプールでキャスト性能もアップして、あらゆる釣りに対応できる仕様となっています。

早速分解のうえ内部の状態をチェックしていきます。

 

ボディ内部は、古くはなっていますが、グリスがきちんと残っているため、錆びは最小限に抑えられていました。

 

レベルワインド周りは、汚れとクロスギア部の錆びがあるので、どちらも除去し防錆およびグリスアップします。

 

ドライブギア、ピニオンギアは年代の割には歯の部分がきれいで、傷みは少ないようです。

新搭載となるカーボンドラグワッシャーによるグリスの黒ずみはありますが、こちらは害はありませんので、きれいにふき取り、カーボンワッシャー用のグリスで仕上げておけばOKです。

クラッチレバー周りは若干錆びが出ていますので、きっちり除去して防錆処理しておきます。これで再び錆びは出にくくなります。

この機種特有の症状として、ギア軸のクリアランスが大きく、ハンドルがガタつく感じが他の機種よりも大きめであることが挙げられます。リトリーブしていて気になるレベルのガタツキ感の場合は、ナイロンワッシャーで少しだけガタを抑えておくと使いやすいです。こちらは微妙なクリアランス調整が必要で、あまり詰めすぎるとキックレバーの掛かりが弱くなるので、具合をチェックしながら調整します。

スプールのベアリングは回転性能低下のため、交換となりました。A-RBとはいえ、さすがに20年経過すると、コロコロしたノイズが出ていました。それでも、錆びは出ていませんので、さすがに強いベアリングです。当時はシールドのないタイプでしたので、異物が入りやすくそのせいではないかと思います。現在のものは両シールド付きで、さらに強いベアリングになっています。

これで組み上げしてみると、滑らかな巻き心地と、音もなくいつまでも回転するスプールが蘇り、釣れるリールが復活しました。

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