まずは交換すべきベアリングを見つけてサイズを特定します。
リールの機種によってベアリングの装着位置が違いますが、スプールの軸に接しているベアリングがそれです。
通常2個のベアリングでスプール軸を支えています。
例えば、ABUのAMB2500Cの場合、本体を分離してスプールを取り出すと、本体両側にベアリングが1個ずつあります。
黒い円の中心にある銀色のものがベアリングです。
スプールにはベアリングがついていませんので、この2個だけがスプール軸に接するベアリングになります。
スプールベアリングが特定できたら、後はサイズを測り、高速回転向けベアリングと交換するだけです。
この機種の場合、左右に付いているベアリングは同じサイズのものですが、リールによってはサイズが違うので注意が必要です。
ベアリングを取り外して、サイズを実測していきます。
ベアリングは多くの場合、ベアリング抜け止めという針金のようなもので固定されています。
この抜け止めが少し弾力のある金属でできているバネのようなものなので、すぐにどこかへ飛んで行ってしまいます。
グレーっぽいじゅうたんなどに落ちた場合、発見はかなり困難になります。
外し方はいろいろな方法があると思いますが、私はピンセットで挟んで外しています。
ベアリングの近くを凝視すると、抜け止めの一部に少しだけ隙間がありますので、そこに先の薄いピンセットや精密ドライバー、デザインカッターの刃などを使って外します。一度要領をつかんでしまえば簡単に外せます。
一度脱走するとなかなか見つかりませんので、私はピンセットで捕まえながら外します。
抜け止めが上手く外せたら、後はベアリングを抜き出します。
通常はスプールをいつも通り装着して、もう一度外すとスプールにくっついて出てきます。
しかし古いグリスや錆びなどでくっついているとなかなか出てきません。
最悪の場合分解が必要になりますので、いつでもお声掛けください。
ベアリングが無事に外れたら、サイズを測れば前半終了です。
次回はベアリングサイズの測り方です。
{ちょこっとアドバイス}
これまでに数多くのピンセットを使ってきましたが、リールの作業で使うピンセットは断然、チタン製です。
チタンが軽くて硬いのはご存知だと思いますが、思いのほか良いのは磁気を帯びないことです。
ステンレスのものは、いつのまにかEリングなど細かいパーツがくっつくようになり、小さなバネなど気づかぬうちにくっついてどこかへ消えてしまいます。
また、せっかくセットしたパーツが一緒にくっついて戻ってくるとイラッ!ときます。
だからチタン製、できれば医療用のものが精度が高くお勧めです。
ピンセット一つで凄く気持ちよく作業できます。