第11回実践編、いよいよ分解に入ります。
手元に18バンタムMGL HG右がありますので、ベイトリールのモデルとして、まずはこのリールをオーバーホールしてみます。同じタイプのリールであれば共通する部分は多いですが、細かい点が異なりますので、参考にできるところだけ見るようにしてください。
今後はできるだけたくさんの機種を掲載しようと考えていますので、同じ機種のオーバーホール記事をみていただくと分かりやすいかもしれません。
まず前回の動作確認(ベイトリール)を参考に、リールの現状確認をします。
1.スプール回転・・シャーノイズ少しあり
2.ハンドルの回転・・少し重い感じ
3.ドラグ・・良好
4.レベルワインド・・引っ掛かりなし
5.クラッチ・・戻りがフニャという感じ
6.ハンドルノブ・・片側が少し回転悪い わずかにガタつきあり
という状況です。
はじめに、今回はシマノバンタムなのでシマノのHPのパーツ価格表(展開図)を画面に出しておきます。
シマノパーツ価格表 の商品コード検索欄に「03857」と入力し、右横の検索 ⇨ 18バンタムMGLが出たら「価格表を見る」をクリックして展開図を出します。
トレーにペーパーウエスを敷いて、トレー横にゴムマットを用意します。
①工具を使わずに分解できるところから、分解します。組み上げの時に順番が狂わないようトレーの左上からキレイに並べていきます。パーツの裏表があるものがありますので、順番だけでなく裏表も意識して並べていくと間違いが少ないです。
②ハンドルを外す・・初めて工具を使います。プラスドライバー1番(太い方)でナットを止めているリテーナのネジを外します。この時ネジが固いことがありますので、リールをゴムマットの上に置き、上からできるだけ垂直にドライバーを押しながら、少しだけ左にひねります。固い場合は、回す力の倍以上の力で上から押すこと
ほんの少しネジが回ったら、すぐにマイクロドライバー0番にチェンジします。これはスピーディーにネジを外すと同時に、ドライバーが細いことでネジが外れた瞬間がわかりやすいのと、ドライバーでリール本体に傷をつける危険性を少しでも減らすためです。
ネジが緩んだらピンセットでトレーに並べ、リテーナ(黒いプラスチック)も外します。リテーナがずれて入っていると、外れにくいことがありますので、その場合は裏側から綿棒で押して外します。
ハンドルのナットを外します。ハンドルナットは基本的に右ハンドルは普通ネジですが、左ハンドルは逆ネジ(左ネジ)といって、時計回りに回すと緩むネジを使っています。ただしこれもダイワのボルト型ネジやシマノのリミテッドエディションなどルール通りでないものがありますので、注意してください。
今回の機種は右ハンドルで普通ネジなので、反時計回りで緩みます。使う工具はメガネレンチかソケットレンチの10mmです。少し緩んだら手で回せますが、シマノ製のベイトリールはハンドルの内側部分にバネが入っていることが多いため、ナットが緩んだ分だけバネが押し返してきます。ハンドル部分を押さえながら外します。
③ハンドルを外したら、スタードラグ音出し板(点々模様が内側)、ピン・バネ(なくしやすい)、スタードラグ、バネの順に外します。
四角いナットが出てきますが、こちらは初めにドラグを緩めておけば簡単に外れますが、ドラグを締めたまま分解を開始すると固く締まっています。その時はスタードラグだけもう一度ナットの上に乗せて回せば大丈夫です。
四角いナットは突起にバネが乗りますので、突起側が上です。(溝になっているタイプも旧型にありますが、どちらもバネが収まりやすいようになっていますのでその視点で)
その下の座金は、フエルトがついたようになっている側が上(旧型は逆もあり)、次に湾曲した座金が2枚、真鍮の座金という順番です。
④ハンドルノブも分解します。ハンドルノブのキャップは、中心に穴がある場合はカギ型の針金(リールの付属品)をさして引っ張ると外れますが、この機種は中心に穴がありませんので、横にひっかけて外します。
ハンドルノブ内の固定ボルトを外します。こちらのネジは、ネジ止め剤がついていますので、慎重に力を掛けていかないとなめてしまうことがあります。(特にダイワ製は固いものが多いです)
プラスドライバー1番でゴムマットの上に置いて、上から力を掛けながら少しずつ回してみてください。
固定ボルト ⇨ ベアリング(4×7×2.5) ⇨ 座金(真鍮) ⇨ ノブ ⇨ カラー ⇨ ハンドル本体
の順です。(ダイワは座金の位置と材質が違います)
ハンドルが外れましたので、次は本体カバーです。
つづきは次回です。