こんにちは Selffishの鈴木です。
今回はクラッチ返りについての話です。
ベイトキャスティングリールでルアーや仕掛けを投げる時、何かの拍子にクラッチが戻ってしまうという現象があります。
この現象は全く経験したことがないユーザーも多いのですが、一度起こると何度も繰り返すことが多く、遠投恐怖症になってしまいます。
クラッチをきちんと切って、フルキャストすると突然クラッチが元の位置に戻ろうとして、結果、ガラガラと盛大な異音を生じながらルアーが急失速します。
現象のメカニズムが分からなくても、極めて心地の悪い感触が手と耳に残り、気分が下がってしまいます。
こうなると、もう気持ちが魚に向かわなくなり、当然釣れるどころの話ではなくなります。
原因はいろいろありますが、一番大きいものは、ハンドルの改造です。極端なパワーハンドルを換装したり、ハンドルノブを大きなものに替えたりしたリールでよく起こります。
キャスト時にリールの位置が支点から大きくずれていると、変な力が働き、ハンドルが少し回転してしまいます。
純正のハンドルならほとんど起こらないのですが、極端なカスタムをした場合には、クラッチが戻ってしまうくらいの回転をするため、この現象が起こりやすくなります。
この現象は、同じリールで何度も繰り返すため、スプールとピニオンギアにダメージを与えます。実際には、あの極めて不快な異音の割には大したダメージはないのですが、何度も繰り返すことで、ピニオンギアの切り欠き部分が丸く削れていきます。
左右が違うピニオンギアですが、新しいものと比較するとよく分かります。
削れが進むとアワセや大物とのファイト時にスプールとギアの連結部分がカタンカタンと外れてしまう症状が出ます。
クラッチ返り現象は、ラインブレイクやルアーロストにもつながることがあるので、できるだけ起こらないように工夫した方がよいです。まずはハンドルの重量が増える改造をしたときには、キャスト時にできるだけリールを揺さぶらないよう心掛けると防止することができますので、試してみてください。